友人同士の借金で利息は請求できる?
そして先日、その50万円が契約書通りの日付で、いさぎよく手元に返ってきました。
しかしAさんは3年間も大事なお金を貸していたのに、友人が利息をまったく支払わなかったことに対して少し不満もあります。
利息に関する取り決めは契約書に書きませんでしたが、少しくらい上乗せがあってもいいのではと思い、改めて友人に利息を請求しようかどうか考えています。

まず、利息というのは、元本を利用する為の対価という位置づけになっています。
50万円を借りた人は、50万を使えることに利益が生じ、その利益に対しての対価が利息ということになります。
利息について、あらかじめ契約書に書いていなかった場合は、利息の支払いに関する契約が、取り決めされていなかったということですから、「利息としての請求」ができるかとなると、これはやはり無理です。
契約書に書いていなかった事に関しては、そういう約束だったので、後から利息を請求すると事はできません。
逆に言えば、友達同士や親戚だとしても、利息に関する取り決めをきちんとしていれば、当然利息を払わなければならないという事になります。
ただし、あらかじめ利息についての取り決めをしていないと利息を請求できないことに関しても例外があります。
今回の場合には友人同士の個人間という事ですが、商人間ではそういう利息に関する取り決めや約束事がなくても利息を請求できるという商法の規定があります。
また、返済が期日に遅れた場合は、返済期日の前か後かで少し違ってきます。
返済期日の前の段階だと、利息に関する契約があるとそれは利息という事になります。
返済期日の後の段階については、「遅延損害金」もしくは「遅延利息」という言葉を使い、利息よりも遅延損害金のほうが一般的には高いです。
今回の事例は、結論的には、Aさんと友人の間で利息に関する契約をしていなかったので、Aさんは後から利息の支払いを請求することはできません。
ただし、返済の期日に遅れたという場合には、例え利息に関する取り決めをしていなくても、遅延損害金を請求することができます。
関連記事
-
-
不利益事実の不告知があり購入したマンションの契約を解除できるケース
部屋からの眺めと日当たりのよさにこだわり、マンション探し続けていたAさんは、ついに希望に合う物件を見つけ、マンションを購入しました。 購入したマンションは、販売業者が「眺めも日当たりも良好です」と勧めてきたもので、その言葉を聞いた上でAさん …
-
-
友人が借金を返してくれない場合、どのように催促すべきか
会社員のAさんは、先日学生時代の友人と偶然9年ぶりに再会しました。 久し振りの再会で会話が弾んだAさんと友人でしたが、Aさんはその席で9年前にその友人に60万円を貸していたことを思い出しました。
-
-
離婚した夫が失業した場合、養育費は払ってもらえない?
A子さんは小さな会社を経営している夫と5年前に離婚し、子供を引き取り毎月10万円の養育費を受け取っています。 しかし先日、別れた夫から連絡があり、「経営している会社が倒産してしまったので来月から養育費が払えない」と言われてしまいました。
-
-
家賃を滞納したらすぐに出て行かなくてはならない?
Aさんは、新築のマンションを借りて1年経ちました。 先月うっかり家賃を払うのが3週間ほど遅れてしまいました。 遅れるのはこれで3回目で、それまで何も言わなかった大家さんから、3回も遅れたので出て行ってもらうと言われたそうなんです。
-
-
お金の貸し借りや賃貸借契約で効果を発揮する公正証書とは
Oさんは今度雑貨屋を開くことになり、それを友人に話すと「そういうことなら私も協力する」と、100万円を貸してくることになりました。 友人の厚意に対する誠意から、「いくら友人でもちゃんとした借用書を作ろう、利子は多めに払う」と言ったそうなんで …
-
-
連帯債務と分割債務の違いについて
Aさんは友人2人と田舎の一軒家を買い取り、そば屋を営む計画を立てていました。 ある日良い物件が見つかったので、早速3人は銀行から3人の連帯でローンを組んで買い取り資金の1200万円を調達し、その物件を買い取りました。
-
-
分割払いでお金を貸したが返済が滞っている場合、途中で一括返済を求めることができる?
Aさんは友人に分割返済の約束で50万円を貸しました。 ただし最終的な返済期限だけを取り決め、1回あたりの返済額や回数は細かく決めませんでしたが、この内容で友人に借用証書を書いてもらいました。
-
-
契約書をなくして再度和解した後に前の契約書を発見した場合どちらの契約が有効か
Aさんは、昨年友人に「期日は今年の12月で全額一括で返し、利息として1万円を上乗せする」という条件で20万円貸しました。 条件と同じ内容の借用書を書いてもらいましたが、Aさんはその借用書をなくしてしまいました。
-
-
借金を返せなくなったときに放置したケースと自己破産
現在60歳のAさんには、サラ金やクレジットカードなどでおよそ1000万円の借金があります。 これまで少しづつ返済してきましたが、最近は「もう完済できない」と思うようになりました。 自己破産することも考えたAさんですが、手続きにいくらかかるの …
-
-
承諾なしに家族の借金の保証人にされてしまったら
Aさんは、独立して一人で暮らしていますが、先日、実家の父親が借金をした際に、Aさんを保証人にしたということを聞かされました。 Aさんはこの父親の借金について今まで何も聞かされておらず、保証人になることを承諾した覚えもありません。