トラブル解決ナビ

日常生活に潜んでいるトラブルを解決するための法律や事例を紹介しています。

借金を返せなくなったときに放置したケースと自己破産

現在60歳のAさんには、サラ金やクレジットカードなどでおよそ1000万円の借金があります。
これまで少しづつ返済してきましたが、最近は「もう完済できない」と思うようになりました。
自己破産することも考えたAさんですが、手続きにいくらかかるのかわからないため、司法書士や弁護士に相談することもためらっています。
Aさんには財産と呼べるものはほとんどなく、差押えされて困る物はなく、自宅はAさんの妻の名義なので住む所はあります。
今後、借金の返済をまったくしないで生活し続けた場合、どんな問題があるのでしょうか。
借金を返せなくなったときに放置したケースと自己破産

まず、借金を返さなければどんな問題が生じてくるのかを考えていきます。
仮に、借金をたくさん抱えた状態で自分が亡くなった場合を考えると、その借金はその相続人である奥さんや子供達に、一応相続ということになります。
当然「引き継がない」という相続の放棄という手続きもありますが、引き継ぐという手続きがあった場合に、残された家族が困ってしまいます。
しかもその借金については、放置している状態なので、利息が付いて、当初の借金の額よりもかなり利息が膨らんでいて、相当な金額になるという可能性も十分考えられます。
そういう借金を奥さんや子供が引き継がなければいけないということになってしまう可能性があります。

また、お金を貸している方は、当然貸しているお金を回収にかかりますので、家や車や宝石類などの財産を差し押さえられるということにもなる可能性があります。
例えば収入があるということであれば、給料を差し押さえるということも考えられ、生活の基盤である収入がなくなってしまいます。

ですから、放置しておくなどという安易な考えを起こさないで、自己破産という法的な制度を利用したり、各弁護士会や司法書士会でやっている無料法律相談会などで相談してみることが大事です。
また、どうしても費用がないということであれば、費用を立替てくれる日本司法支援センターという独立行政法人もあります。
立替をしてもらい、あとで収入が安定してきたときに、分割で支払うようなかたちになります。
自己破産に必要な金額は、各弁護士や司法書士、借金の額や債権者の数などによって違いますが、一般的には大体30万~40万が相場となっています。

今回の件では無計画な借金はしないで、返せるという前提で借金をするということがまず大事で、どうしても返せない時は自己破産をしたり、司法書士や弁護士に相談することになってきます。
とにかく債務を放置しておくことは、家族に迷惑がかかってくることになってしまいます。

 - お金に関するトラブル , , ,

  関連記事

年齢を偽って借金をした未成年の息子の借金を支払う義務は親にあるか?

Aさんの息子は19歳の学生で、親元を離れて一人で住んでいますが、先日息子から消費者金融から45万円の借金をしてしまい、自分では払えないから払ってくれないかという連絡がありました。 どうやら息子は19歳であるということを相手方の消費者金融に告 …

連帯債務と分割債務の違いについて

Aさんは友人2人と田舎の一軒家を買い取り、そば屋を営む計画を立てていました。 ある日良い物件が見つかったので、早速3人は銀行から3人の連帯でローンを組んで買い取り資金の1200万円を調達し、その物件を買い取りました。

貸付自粛や与信自粛とブラックリスト

結婚して20年になるA子さんは結婚してから夫の借金に悩みを抱えていました。 A子さんの夫は浪費癖があり、A子さんに内緒でお金を消費者金融から借りてしまい、これまで一度も計画通りに返せず、毎回A子さんに泣きつきます。

お金を返したくても相手と連絡がつかず返せない場合は供託を利用しよう

Aさんは5年前に会社を設立したときに前の会社の同僚のBさんから100万円を融資してもらい、その際に返済期日を決めて借用書も作りました。

離婚したら元夫の連帯保証人から外れることはできる?

Bさんは協議離婚が成立し、8年の結婚生活を終わらせ、子供を連れて実家に戻りました。 しかし、問題が1つ残っていて、現在元夫が住むマンションは結婚して3年目の時に購入したもので、マンションの購入資金は元夫が銀行から借り入れし、その際にBさんは …

家賃を滞納したらすぐに出て行かなくてはならない?

Aさんは、新築のマンションを借りて1年経ちました。 先月うっかり家賃を払うのが3週間ほど遅れてしまいました。 遅れるのはこれで3回目で、それまで何も言わなかった大家さんから、3回も遅れたので出て行ってもらうと言われたそうなんです。

友人同士の借金の時効の援用権と喪失について

学生時代の友人と15年振りに再会したAさんは、15年前に友人から1万円を借りていたのを思い出しました。 Aさんは「利息は負けてくれ」と言って、その場で友人に1万円を返しました。 しかしその後日、Aさんは借金は10年で時効を迎えることを知り、 …

承諾なしに家族の借金の保証人にされてしまったら

Aさんは、独立して一人で暮らしていますが、先日、実家の父親が借金をした際に、Aさんを保証人にしたということを聞かされました。 Aさんはこの父親の借金について今まで何も聞かされておらず、保証人になることを承諾した覚えもありません。

差押えと仮差押えの違い

Aさんは、世話になっている叔父に「このところ会社が危なくなった。500万円ぐらい貸してくれないか」と言われ、借用書をちゃんと書いてもらい、快く500万円貸しました。 ところが、相当資金繰りが苦しいらしく、遂には自宅を売って事業資金に充てるら …

分割払いでお金を貸したが返済が滞っている場合、途中で一括返済を求めることができる?

Aさんは友人に分割返済の約束で50万円を貸しました。 ただし最終的な返済期限だけを取り決め、1回あたりの返済額や回数は細かく決めませんでしたが、この内容で友人に借用証書を書いてもらいました。