トラブル解決ナビ

日常生活に潜んでいるトラブルを解決するための法律や事例を紹介しています。

お金を返したくても相手と連絡がつかず返せない場合は供託を利用しよう

Aさんは5年前に会社を設立したときに前の会社の同僚のBさんから100万円を融資してもらい、その際に返済期日を決めて借用書も作りました。
その借用書の返済期日が昨年で、AさんがBさんの口座にお金を振り込もうとしたらすでにその口座が閉鎖されており、Bさんも元の会社をすでに退職していて自宅も引っ越してしまったようで居場所がわからない状態でした。
探す当てもなく一年が過ぎてしまったところ、先日Bさんから4年前に貸したお金を返してほしいと急に連絡がありました。
その頃、返すために取っておいたお金も使わざるを得ない状況になり、手元にはもう残っていませんでした。
AさんはBさんに事情を説明しましたが、お金に困っているから返してほしいと言われました。
また、借用書の期日は過ぎているのですぐに返せないならなら延滞金も払ってもらうと言われました。
Aさんは借用書に書いてある分は返済しようと思っていますが、この場合延滞金まで払う必要はあるのでしょうか。
お金を返したくても相手と連絡がつかず返せない場合は供託を利用しよう

結果だけを見てみると、Aさんが期日にお金を返していなく、その後の債権者からの督促に対してもお金を返していませんので、Aさんに債務不履行があるのは明らかです。
債務不履行ということになれば、損害賠償金としての延滞金あるいは延滞利息を支払う必要があります。

ただし今回のケースは、Aさんが期日にお金を返せないという理由がありました。
これがBさんの方に返そうしたが口座が閉鎖されていたこと、会社も退職してその居所も全然分からなかったというのがあり、その分は債権者の落ち度や責任、過失があるのではないかということになります。

そこで民法は、お互いに過失があるという場合には過失相殺というものが認められています。
交通事故が一番典型的な過失相殺の例で、車を運転する方が歩行者をはねてしまった場合、不法行為ですから損害賠償となりますが、歩行者の方にも、急に飛び出したり、横断歩道でないところを渡っていたりとなんらかの責任がある場合、その分を過失相殺ということで、全額負担ではなくある程度減額しようということになります。

今回のケースは、Aさんに債務不履行があり、延滞金を支払う必要はありますが、債権者のBさん責任もあるので、延滞金から過失相殺することで、減額が認められるということになります。

本来は借りたお金ですから、きちんと手元に保管しておくことが必要でしたが、実際にAさんからすると、返そうと思っていた時に相手がどこにいるかわからなかったということでした。
このようなトラブルを防止するために、民法では供託という制度を設けています。
弁済供託といい、あらかじめ債権者が受領を拒否している、受け取らないとしている場合や、受領不能で返したくても返せない状態である場合、債権者不確知で債権者が誰なのかわからない場合などの原因があれば供託できるということになります。

従って、今回は相手がどこにいるかわからなかったので、供託できる状態でした。
供託を返済の期日にしていれば、債権の消滅原因になるので返したことと同じことになり、そうするとそこからの延滞金というのはもちろん発生してこないということになります。

また、供託は法務局のほうにするので、貸した側が供託したお金を受け取るには、法務局の方からこの人がこういう理由で金いくらの供託されましたという内容の通知がきます。
その通知を法務局の方に持っていって手続きをすればお金を返してもらえます。

 - お金に関するトラブル , , ,

  関連記事

借用書もなく他人にお金を貸したら返してもらえない?

Aさんはあるとき、婚約中の彼に、1年後の今日に必ず返すという約束で10万円を貸しました。 彼は「借用書を書く」と言ってましたが、Aさんは「婚約したのだから借用書は書かなくていいよ」ということでした。

友人が借金を返してくれない場合、どのように催促すべきか

会社員のAさんは、先日学生時代の友人と偶然9年ぶりに再会しました。 久し振りの再会で会話が弾んだAさんと友人でしたが、Aさんはその席で9年前にその友人に60万円を貸していたことを思い出しました。

年齢を偽って借金をした未成年の息子の借金を支払う義務は親にあるか?

Aさんの息子は19歳の学生で、親元を離れて一人で住んでいますが、先日息子から消費者金融から45万円の借金をしてしまい、自分では払えないから払ってくれないかという連絡がありました。 どうやら息子は19歳であるということを相手方の消費者金融に告 …

離婚した夫が失業した場合、養育費は払ってもらえない?

A子さんは小さな会社を経営している夫と5年前に離婚し、子供を引き取り毎月10万円の養育費を受け取っています。 しかし先日、別れた夫から連絡があり、「経営している会社が倒産してしまったので来月から養育費が払えない」と言われてしまいました。

連帯保証人になっていた場合の相続について

先日、父親を亡くしたAさんは、葬儀を終了させ、遺産相続の手続きをすることになりました。 亡くなった父親には財産や不動産は特に無く、借金も無いと思っていたAさんは、相続の手続きも簡単に済むと思っていたのですが、父親が友人の借金の連帯保証人にな …

お金の貸し借りや賃貸借契約で効果を発揮する公正証書とは

Oさんは今度雑貨屋を開くことになり、それを友人に話すと「そういうことなら私も協力する」と、100万円を貸してくることになりました。 友人の厚意に対する誠意から、「いくら友人でもちゃんとした借用書を作ろう、利子は多めに払う」と言ったそうなんで …

出世払いの借金の返済期限はいつ?

3年前、出世払いで返すからと借金を頼み込んできた友人に、現金10万円を貸しました。 この借金については契約書を交わしているわけではなく、特に返済の期日を決める事もしていません。 これまでに何度か返済を迫りましたが、まだ出世していないからと友 …

借金を返せなくなったときに放置したケースと自己破産

現在60歳のAさんには、サラ金やクレジットカードなどでおよそ1000万円の借金があります。 これまで少しづつ返済してきましたが、最近は「もう完済できない」と思うようになりました。 自己破産することも考えたAさんですが、手続きにいくらかかるの …

兄弟の借金の返済をしつこく催促された場合、支払う必要はあるか

Aさんには兄がいて、兄は飲食店を営んでいましたが、2年程前から次々と近所にライバル店ができ、客足はどんどん遠のいて、先月ついにお店をたたむ事になってしまいました。 Aさんはお店の後片付けを手伝う事にしたそうなんですが、兄はショックのためなか …

保証人でないのに家族の借金の返済をせまられたら

Aさんは両親と一緒に暮らしていますが、あるとき父親が株式投資に手を出して失敗し借金を作ってしまいました。 複数の貸金業者から借り入れをしているようで、貸金業者が度々自宅を訪れたり、電話をかけてきたりします。 Aさんがその対応をしていたところ …