年齢を偽って借金をした未成年の息子の借金を支払う義務は親にあるか?
どうやら息子は19歳であるということを相手方の消費者金融に告げずに、未成年ではなく20歳と偽って消費者金融からお金を借りたようなんです。
借金をした理由すら言わずに電話をきってしまったそうなので、その後の状況はわからないんですけれども、以降息子さんとなかなか連絡も取れずに困っています。
実際にAさんのところにも消費者金融からもかなり催促がきているそうなんですが、どうすればいいでしょうか。

息子が19歳であるということを相手方の消費者金融に告げずに、未成年ではいと偽って消費者金融からお金を借りたということですが、もし仮にそのように偽ってお金を借りたということであれば、これは契約の取り消しはできませんので、その息子が支払う必要があります。
消費者金融もプロですから、未成年者であることをわかって、しかも親の同意も得ないでお金を貸すことはありません。
ところが、息子が年齢を偽っていなくて本当に未成年者だということでお金を借りたということであれば法定代理人の同意が必要になりますので、契約の取り消しができるということになります。
また、親はその契約の当事者でもありませんし、連帯保証をしているわけでもないのでその借金は一切支払う必要はありません。
しかし、息子がそういうことで偽って借りたということであれば、借金自体は息子が支払わなければなりません。
息子に支払う能力がないということであれば、やはり息子を探し出して今後どうするのかを2人で話し合って解決していくしかないということになります。
Aさんに対して消費者金融から催促がきているとのことですが、そもそも相手方に支払う義務が無いにも関わらず督促をしているということであれば、明らかに消費者金融の法律違反で貸金業の違反になります。
それを止めさせる手立てとしては、例えば内容証明郵便で、私は法的には支払う義務はありませんから督促は止めてくださいと消費者金融に送るということなどが考えられます。
それでも止めてくれない、督促が続くということであれば行政処分の申立をして、行政庁の方から業務停止などをしてもらうという方法が考えられます。
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