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電車の中で嘔吐物をかけられ洋服が汚れた場合の損害賠償

A子さんは残業で帰宅が遅くなり、最終電車で帰宅していました。
A子さんはドアの近くに立っていましたが、酒に酔っているように見えた隣の男性が突然嘔吐し、A子さんのスーツが汚れてしまいました。
男性はその場でクリーニング代として1万円をA子さんに支払い、連絡先も教えてくれました。
しかし、A子さんは匂いが残っているような気がして、もうそのスーツを使う気にはなれません。
新しいスーツを買うための代金を男性に請求することは可能でしょうか。
電車の中で嘔吐物をかけられ洋服が汚れた場合の損害賠償

これは法的に見ると、A子さんに嘔吐物を吐いた人は、他人の権利や法律上保護される利益を侵害したということで不法行為になり、それによって生じた損害は、不法行為責任として賠償する責任を負うことになります。

この例題の場合は相手が良心的な方で、クリーニング代として1万円を払ってくれ、連絡先も教えてくれましたが、A子さんは汚れは落ちたけども、気分的に使う気になれず、新しいスーツを購入する代金を請求したいということなんですが、それにはいくつか問題があります。

あくまでも法的に判断しますと不法行為責任になりますが、この場合には物的損害ということで、評価損を請求する形になります。
そのスーツはクリーニングして、何回か使っているわけで、そのクリーニングした後のスーツの評価の差額で、その差額分について、評価が下がったということの損害です。

本来だったらいくらだったものが、嘔吐物で汚したことで価値が下がった分を汚してしまった方が負担するということになります。
当然、洋服ですから、長年使っていれば新しいスーツ同様というわけにはいかず、だんだん値打ちが下がっていきますので、その辺を考慮しなければいけません。

そう考えると、新しいスーツと全く同じものをそのまま買ってもらうというのは、難しいです。
臭いが残っているような気がするなどというのは、気分的にはそうなのかもしれませんが、きちんとクリーニングして、臭いも残っていなければ、新しいスーツの代金まで要求するのは難しいです。

仮に、真っ白いスーツを着ていて、色のあるワインを含んだ嘔吐物をかけられてしまい、クリーニングしても汚れが取れず、そのスーツが使いものにならないという場合、それなりの損害を賠償する責任があります。
ただし、その場合にも新しいスーツの購入価格までを請求するのは、その時初めて新品を着ているわけではないので難しいです。

色々と難しい問題ですが、今回のケースの臭いが残っている気がするということでは、本当に臭いが残っているかわからないので、新しいスーツ代金までは請求できないということになります。
いずれにしても、汚されたりした場合には、その場できちんと連絡先を聞いてお互いに納得のいくような話し合いをすることが大事です。
また、何よりも人に迷惑をかけないように、お酒をあまり飲み過ぎないように注意しましょう。

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