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別れたら付き合っているときにもらったプレゼントは返さなければいけない?

3年間付き合った彼と別れることを決めたA子さんが彼に別れ話を切り出したところ、「これまでプレゼントしたものをすべて返して欲しい」と言われました。
そこでA子さんは服やアクセサリなどを返しましたが、その後彼から連絡があり「やっぱり品物はいらないから、その分を金で返せ」と言われてしまいました。
彼から要求された金額は品物の値段より高く「今までお前にかかった分を考えれば、それでも少ない」と言われてしまいました。
A子さんはもらったものを今更返さなければならないのか、疑問に思っています。
別れたら付き合っているときにもらったプレゼントは返さなければいけない?

これは法的に言いまして「贈与」という形になります。
贈与とは、自分の財産を無償、ただで相手方に与える意思を表示して、相手方このケースでは恋人が「受け取ります」と承諾する事によってその効力を生ずるということになり、簡単にいえばプレゼントするということです。

贈与にはいくつか種類があり、今回の場合は、口約束なので書面によらない贈与という形になります。
書面によらない贈与というのは原則として、各当事者が撤回することができますが、例外があり、履行が終わった部分については撤回できないということになっています。
法的には履行が終わったと表現しますが、書面によらない贈与の場合には、後から「返してくれ」とは言えません。
ですから、彼女にあげてしまった分に関しては返してと言うことはできません。

さらに、A子さんは一応返していて、さらに、「やっぱり金で返せ」と言ってきたことに関しては、法的には要求する権利はありません。

ただし、結納などの場合には少し変わってきます。
結納は、婚約に伴うもので、婚約というのは、将来お互いに結婚しましょうという約束、合意で、それに伴って結納を交わすという慣習があります。
その結納が、例えば婚約破棄になった場合には、結婚という目的がなくなった、すなわち目的が不到達、目的が達せられなかったということになり、原則として「その結納は返さないといけない」ということになります。
結婚という目的が成立しないのであれば、その結納も返さなければいけないということです。

ただし、男性の方が不貞行為を働いたなど男性側が原因で婚約破棄になった場合には、男性の方から「一旦取り交わした結納を返してください」ということはできませんというのが、裁判所の判例です。

 - 生活のトラブル

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