飲み会の中止を予約していた店に伝え忘れたら損害賠償が必要?
ところが当日、飲み会に参加するはずだった10人のうち8人が急に来られなくなってしまいました。
Aさんは仕方なくその日の飲み会の中止を決定しました。
そしてその翌日、居酒屋にキャンセルの電話をするのを忘れていたAさんに予約を入れていた居酒屋から連絡があり、すでに用意していた料理代と飲み放題の代金、合わせて5万円を支払って欲しいと言われました。
しかし飲み会が中止になったのは自分の責任ではないし、できれば支払いたくありません。
一体どうすればいいのでしょうか。
今回の問題のポイントとしては、契約が成立しているかどうかにかかってきます。
まず契約について法的には、申込みがあるとその申込みに基づいて相手方が承諾すると契約が成立するということになってます。
今回の問題の中で予約をしたのは間違いなく、契約は必ずしも書面にしておかなくても電話でも成立してしまいます。
契約が成立した場合、契約から発生するその債務の履行というのがあり、それができなかった場合には債務の不履行となり、民法ではその債務の不履行について3つに分類することができます。
1つ目は、履行遅滞。履行が遅れたということ。
2つ目は、債務不履行。履行できなかったこと。
3つ目は、不完全履行。債務は履行したけど完全ではなかった。
債務不履行にはこの3つの種類があり、それについて履行ができなければ、債務不履行に基づいて、損害賠償請求権が発生してくるということになります。
今回の場合、5万円支払って欲しいと居酒屋から請求があったということですが、まず契約が成立していたかどうかがポイントになります。
そうすると、Aさん自身としては予約を入れたのは確かで、店側の方としても承諾したということになって、その時点で一般的には契約が成立しているということになると思います。
契約が成立しているのであれば、当然その債務を履行しなければいけませんが、履行しなかったということで、債務不履行の問題になってきます。
そうすると本件の場合には債務を履行ができなかったということになり、損害賠償責任が発生してきます。
幹事のAさんとしては、当然忘れていた過失がありましたが、中止にするのであれば、事前にお店のほうにキャンセルをお願いしたいということを電話をすれば、今回のような形にならずに済んだように思います。
事前にキャンセルした場合には、店側とのやりとりの中での合意の問題になり、例えば、店側の方としては事前にキャンセルをしてからキャンセル料として1万円請求したり、あるいはキャンセル料はかからないという話になると思います。
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