保証人でないのに家族の借金の返済をせまられたら
複数の貸金業者から借り入れをしているようで、貸金業者が度々自宅を訪れたり、電話をかけてきたりします。
Aさんがその対応をしていたところ、貸金業者から「父親の借金だから、親が払えないのなら息子のあなたが払うべきだ」と返済を要求してきました。
Aさんは父親の借金の連帯保証人ではありませんが、親と一緒に暮らしているということもあるので、借金を返済する義務があるのでしょうか。
連帯保証人にはなっていないけれど、本人は父親と同居しているから、返さなければいけないかと、心配しています。
これは、Aさんは連帯保証人になってないので、父親の借金を支払う必要はありません。
まず、貸金業者と借金の契約(金銭消費貸借契約)を結んだのはあくまでAさんの父親です。
従って、その契約の当事者は貸金業者とそのAさんの父親となります。
一方で、Aさんは連帯保証人にもなっていないし、連帯債務者という形で父親と一緒に借りたということでもないわけですから、Aさんはその契約には関与していないということになり、法律的には、たとえ一緒に暮らしている家族だとしても、成人した子供は法律上、独立した責任主体になるので、Aさんが父親に代わって借金を返済する法的な義務はないという結論になります。
また、貸金業者が連帯保証人ではない本人以外の人に返済を迫ってくること自体は違法になります。
Aさんは父親に代わって返済する法的な義務はないのに、その貸金業者が息子さんであるAさんに親に代わって返しなさいという取立て行為をしてきたという場合には「貸金業法」という法律があり、債務者以外の者に対して「債務者に代わって借金を返しなさい」ということを要求することは禁止されています。
これを守らないで貸金業者が債務者以外のものに対して返済を要求した場合には罰則があります。
罰則の中身は「2年以下の懲役・もしくは300万円以下の罰金」ですから、刑事罰になります。
貸金業者にこういう行為をされたのであれば、刑事罰の問題なのですぐ警察に相談したほうがいいです。
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