離婚した夫が失業した場合、養育費は払ってもらえない?
しかし先日、別れた夫から連絡があり、「経営している会社が倒産してしまったので来月から養育費が払えない」と言われてしまいました。
A子さんが一人で子供を育てていく上で養育費が無いのは困るので、今後も養育費を支払ってもらえるようにはできないのでしょうか。
また、養育費の金額はどのように計算して決めるのでしょうか。

まず、養育費の金額については、法律上は明文の規定はありません。
裁判になった場合は、裁判所の方で養育費の金額を決めますが、明文の規定がありませんので、それぞれの収入や子供の年齢などいろいろな事情を考慮して決めていきます。
養育費には相場というものはありませんが、一応の参考として算定表というものがあり、それぞれの収入、子供の年齢、子供が何人いるか等を考慮して、ある一定の算定基準になる基本があります。
ですから養育費について悩んでいる方は、一応の参考資料が裁判所のホームページで紹介されていますので、それを参考にしてみるのも1つの方法かと思います。
(裁判所:養育費算定表 http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html)
養育費は、離婚して親権者をどちらにするかを決め、子供を引き取って親権を持った方が必ずしも養育費も全部負担をするというわけではなく、離婚や夫婦間の問題とは関係無く、親としての義務となり、親権が誰にあるとかそういうのは一切関係ありません。
今回の例題では、5年前に離婚し毎月10万円という養育費も頂いていたということに関しては、良い取り決めをしたと思います。
ところがその後会社が倒産してしまって、養育費を支払えなくなってしまったということです。
そこで民法では、今回のケースのように事情が後で変わって、当時は10万円という養育費をもらっていたけれど、払えなくなってしまったという場合は、養育費の増減についての協議あるいは請求がより現実に則してできるという形になっています。
ですから、今回のケースは「まったく養育費を支払うことが出来なくなってしまった」ということで、支払いができなくなった場合については、どうしようもありません。
ただし、一旦は養育費がなくなりますが、養育費を支払うことは親の義務ですから、あとで経済的に再生して収入があるということになれば、また養育費の支払いを再開するということになります。
ただ、養育費の金額については、その時の収入から計算するので、当時の10万円とは少し変わってきます。
ですから、履行の確保という点から見れば、公正証書にしておくのが一番いいです。
また、子供が大きくなり、留学などでお金がかかる場合などの養育費を決めた当時に取り決めしていなかったというケースの場合には、もう1回改めて元の旦那さんと奥さんと協議して解決するということになります。
いずれにせよ2人の子供ですから、離婚するときは良く考えて話し合い、納得して離婚するということが望ましいです。
関連記事
-
-
友人同士の借金の時効の援用権と喪失について
学生時代の友人と15年振りに再会したAさんは、15年前に友人から1万円を借りていたのを思い出しました。 Aさんは「利息は負けてくれ」と言って、その場で友人に1万円を返しました。 しかしその後日、Aさんは借金は10年で時効を迎えることを知り、 …
-
-
なくした免許証や保険証を悪用されてお金を借りられてしまったらなくした本人に返済義務はあるか
Aさんは先日運転免許証をなくしてしまいました。 どこで落としたのか、家の中で紛失したのか、見当もつきません。 仮に屋外で落としていた場合、拾った誰かがその運転免許証を悪用し消費者金融や闇金などで借金をしたら、Aさんにその借金の支払い義務はあ …
-
-
家賃を滞納したらすぐに出て行かなくてはならない?
Aさんは、新築のマンションを借りて1年経ちました。 先月うっかり家賃を払うのが3週間ほど遅れてしまいました。 遅れるのはこれで3回目で、それまで何も言わなかった大家さんから、3回も遅れたので出て行ってもらうと言われたそうなんです。
-
-
差押えと仮差押えの違い
Aさんは、世話になっている叔父に「このところ会社が危なくなった。500万円ぐらい貸してくれないか」と言われ、借用書をちゃんと書いてもらい、快く500万円貸しました。 ところが、相当資金繰りが苦しいらしく、遂には自宅を売って事業資金に充てるら …
-
-
友人同士の借金で利息は請求できる?
3年前友人に泣き付かれ、仕方なく現金50万円を貸したAさんは念のため、返済の時期などを記した契約書を交わしていました。 そして先日、その50万円が契約書通りの日付で、いさぎよく手元に返ってきました。
-
-
浮気などで夫が家を出て行き居場所がわからなくなった場合離婚できる?
結婚5年目の主婦のA子さんは、夫の浮気に悩んでいて、夫には浮気をやめるように何度も訴えてきました。 しかし夫はついに家を飛び出し、交際相手と暮らし始めてしまいました。 A子さんは離婚を決意し、役所に行って離婚届を持ち帰り署名と捺印を済ませま …
-
-
出て行ってしまった嫁のパチンコで作った借金を旦那は払う必要があるか
Aさんの奥さんは3年ほど前からパチンコにはまりはじめ、2年前からとうとう消費者金融から借金をし始めてしまい、現在では総額80万円の借金があります。 ある日突然奥さんが家を出てしまい、途方に暮れていたところに消費者金融から旦那さんに対して、奥 …
-
-
連帯債務と分割債務の違いについて
Aさんは友人2人と田舎の一軒家を買い取り、そば屋を営む計画を立てていました。 ある日良い物件が見つかったので、早速3人は銀行から3人の連帯でローンを組んで買い取り資金の1200万円を調達し、その物件を買い取りました。
-
-
養育費を後から増額・減額できるケースとは
離婚して10年になるA子さんが引き取って育ててきた一人娘は、来月高校3年生になります。 その娘が、1年間海外留学したいと言い出し、娘の話を聞いたところ、海外留学の費用が100万円ほどかかるようです。
-
-
お金の貸し借りや賃貸借契約で効果を発揮する公正証書とは
Oさんは今度雑貨屋を開くことになり、それを友人に話すと「そういうことなら私も協力する」と、100万円を貸してくることになりました。 友人の厚意に対する誠意から、「いくら友人でもちゃんとした借用書を作ろう、利子は多めに払う」と言ったそうなんで …