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突然の解雇と給料の未払い

近所のコンビニで、週に3日・1日6時間の労働で、長期でアルバイトをしていましたが、3か月を過ぎたある日、そのコンビニの店長から「事情があり、今日で辞めてもらいたい」と言われ、突然解雇されることになってしまいました。
また、給料日に銀行に行くと、前の月の給料が振り込まれていませんでした。
コンビニに抗議をすると「来月払うから」と言われましたが、2か月経っても、解雇を宣告された月の分も含め、2か月分の給料がいまだ振り込まれていません。
突然の解雇について、アルバイトの場合、突然の解雇は当り前なのでしょうか?
また、未払いの給料は諦めるしかないのでしょうか?
突然の解雇と給料の未払い

まず、労働者という言葉の法的な定義を覚える必要があります。
労働基準法の中では、「労働者」は簡単に言うと「使用関係にあって賃金をもらっている人」と定義されています。
そのため、アルバイトであっても正社員であっても労働基準法上では同じ「労働者」という扱いになります。
そうすると、たとえアルバイトであっても解雇することについては、正当な理由が必要になります。
解雇するためには、社会通念上「解雇が相当だ」と認めらるような客観的・合理的な理由がないといけなく、使用者には解雇するための理由を労働者に対して伝える義務も当然あります。

また、突然の解雇ということに関して、原則、使用者は解雇する場合の30日前に労働者に対して解雇することを予告しなければならなく、予告なしに解雇した場合には、30日分以上の平均賃金を支払わなければいけません。

ただし、解雇の30日前に予告しなければいけないことについては次の4つの例外があります。
1つ目は、日雇い労働者の場合。
2つ目は、2か月以内と期間を定めて使用される者の場合。
3つ目は、季節労働者で4か月以内の期間を定めて使用されている者の場合。
4つ目は、試用期間の者の場合。
この4つの場合に当てはまる場合は、解雇の30日前の予告は必要ありません。

このケースの場合、理由を伝えていない点と、突然の解雇という点を考えると、不当な解雇ということになります。

試用期間が1か月間でもう終わっていて、3か月目に突然解雇され、さらに、長期での契約でしたので、予告の例外には該当しません。
したがって、そのコンビニは30日前に予告をしなければいけませんでしたが、予告なしで突然解雇したので30日分の平均収入をコンビニに対して請求できます。

ただし、経営状況が悪いとなると、未払いの給料を請求しても、お店側から支払ってもらえない可能性もあります。
その場合には、労働基準監督所に相談に行ったほうが得策で、労働基準監督所は、賃金を払ってもらえない、労働条件が悪いなどの労使間の金銭的なトラブルなどを取り扱っている公的機関です。
手続きは簡単で、労働基準監督所にこのような内容で解雇された、賃金を払ってもらえていないなどということを説明すれば、労働基準監督所がコンビニに対して行政指導をし、未払賃金を払ってもらえる可能性が大きくなります。
また、労働基準監督所に相談すること以外には、簡易裁判所での調停や、裁判所を間に入れて話し合いをするなどのかたちで解決する方法もあります。

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